車海老を頂きました。
ビチビチ跳ねて箱から飛び出す程の活きの良さ。
別冊漫画ゴラクにて連載していた「夜見の国から〜残虐村綺譚〜 」が
待望の単行本になりました。
ニチブンコミックスでは異例のブ厚さ。
横溝正史の「八つ墓村」のモデルにもなった「津山三十人殺し」を
独自の解釈で完全劇画化だそうです。
舞台は太平洋戦争さなかのとある寒村。
村社会独特の因習や確執により、徐々に追い詰められていく
主人公の都居睦男。
心身共に侵された睦男のとった行動とは・・・
モデルとなった岡山県の集落で起こった津山事件は
余りにも有名なのはご存知の通り。
その事件に独自の解釈を加えて描かれ別冊ゴラクの名物連載となった本作。
出だしはどこにでもある村の日常の体裁をとっていますが。
覚悟を決めた主人公、睦男の容赦ない復讐が始まる
息つく間もない終盤の畳み掛けるような描写に、ただただ
誌面に目が釘付けでした。
ゴラクでも珍しい夥しい流血と殺人の数々。
連載時も読んでいたのですが、こうして一冊に纏まったものを
一気に読み通すと、その丹念な描写により、主人公である睦男が
如何に狂気の渦中へと身を投じたかの過程がよく解ります。
年の瀬に背中にヒヤリとしたものを感じながら。
それでは。