穏やかなる日々

日々の徒然。ゲームだったりクラシックロックやメタルだったり。

不死身のグローザム

映画を1本観ました。
実話に基づいた1964年のソ連映画鬼戦車T-34」です。



元タイトルは「ひばり」



それに対しての邦題が「鬼戦車T-34
鬼軍曹や鬼瓦権造など鬼の付く名は数あれど、鬼戦車と持ってきちゃう
そのセンスに痺れます。
この邦題をつけた方には座布団1枚進呈したいぐらい。



さて、内容の方はといえば、第二次大戦下ドイツ軍の収容所に
捕えられているソ連軍捕虜達は連日酷い扱いを受ける日々。



そんなある日、新型の対戦車砲弾の試験をタイトルでもある
T-34を使用して行うことに。
史実においてもT-34は走攻守とバランスのとれた名戦車。
ヨーロッパ戦線をはじめとした各地においてもドイツにとっては
脅威以外の何物でもありませんでしたから、こういった実験用と
してもまさにうってつけの役だったのでしょう。



武装で走り回るT-34はまさに動く標的。
捕虜は自分達で整備した鉄の棺桶に乗り込み、連日死の舞踏を
舞い続けます。



そんなある日、遂に思い立った男達が実験中にT-34を奪って逃走、
毎日苦しめられたあの憎き対戦車砲を踏み潰しながら疾走します。



途中、ロシア人の捕虜とも遭遇しますが、ひたすら隠れながら
逃走を続ける彼等達ではどうすることもできず・・・



上手く逃げだせたとはとはいえ、結局は敵陣の中でのお話ですから
仲間達も1人、また1人と敵の銃弾に倒れていきます。
そして最後には主人公も・・・
ソ連映画らしい後味の悪さでした。
また、過剰な装飾を加えない淡々とした描写もじつにそれらしい。



そして本作の主役であるT-34です。
T-34/85ではなく、初期型のT-34/76のようですね。
撮影には本物をふんだんに使用しているだけあり、普段はお目に
かかることのできないエンジン部等も目にすることができるので、
戦車マニアには堪らないものがあるでしょう。



劇中、木々をものともせずなぎ倒し、建物を破壊し、あらゆる物を
踏み潰しながら縦横無尽に走り回るT-34の姿は、タイトルにある通り
まさに鬼戦車の名に相応しい。
話の内容も悲惨な割には劇伴曲の影響かコメディ色の強い部分も
あったりと、なかなか妙な味わいのある映画なのでした。
機会があれば一度お試しいただければと存じます。











それでは。