起き抜けに上のとサイバトラーを最後までプレイ。
あーでもない、こーでもないと、終始騒がしくやり通しました。
はい、今日はこちら。
フィルスが1998年に発表した3rdにして彼等の出世作であるアルバム
「Cruelty And The Beast(鬼女と野獣)」が、新規リミックスと
リマスターを施され「Cruelty And The Beast(鬼女と野獣
-転生-)」として登場しました。
「血の伯爵夫人」の異名を持ち、史上名高い連続殺人者でもあり
吸血鬼伝説のモデルとも言われたハンガリー王国の貴族、エリザ
ベート・バートリー。
その彼女をモチーフとして制作されたコンセプトアルバム、それが
「鬼女と野獣」でした。
目まぐるしく展開するストーリーをなぞりながら、合間、合間に
挿入されるインストが実に効果的に作用しており、目の前に情景が
浮かぶかのような錯覚まで覚えたものです。
各曲もそれぞれが練りあげられた内容で、曲毎のエンディングが実に
劇的で情感豊かに表現されており、感心することしきり。
構成や展開も非常に複雑でこちらの予想を裏切るコード展開等々、
1度や2度聴いただけではとてもじゃありませんがその全容を掴むのは
困難でしょう。
しかしながら曲の方は、シンフォニック且つ、プログレ要素を織り
交ぜながら実にキャッチーでこちらの興味を惹きつけます。
このへんのさじ加減は絶妙ですね。
さて、上記のように初期作でありながらその高い完成度に唸らされた
このアルバムも、リリース当時はその貧弱なプロダクションがどう
にも気に入らない点でもありました。
しかし、今作ではその不満の元でもあったプロダクションが改善され
新規リミックスとリマスターを経て、まるで新緑アルバムであるかの
如き1作として蘇りました。
気になっていたコンコン、パタパタと軽過ぎて聴くに堪えなかった
ドラムも、ドスッと腹に響き分離もはっきりとした音へとアップ
デートされ、言う事もありませんね。
アルバム冒頭を聴く度に、不気味に静まり返る悪魔城に、静かにその
一歩を踏み出していく様を想像してしまいます。
暴虐と漆黒に彩られたエンターテインメントは、終わらない夜と共に
いつまでも・・・
それでは。