1枚聴きました。
中期ビル・エヴァンスの数あるライヴ盤の中、67年にヴィレッ
ジ・バンガードで行われた演奏を収め、名盤の1枚として数えら
れている「CALIFORNIA,HERE I COME」です。
フェスティバルでの名演など、間違いなく脂の乗りきった時期
にあたる演奏。
全編通して聴いてみてもエヴァンスの演奏は実にアップテンポで
ノリもよく、奔放に弾いているようでその実、それぞれの要所要所
では抑制の効いた独特の緊張感を感じさせる演奏となっております。
「Round midnight」などをはじめとしたスタンダードナンバーも前述の様な
充実した演奏で彩られ、いつもとはまた違った味わい深い演奏となって
収録されています。
また、このアルバムは氏の死後にあたる82年になってから世に出た
アルバムであり、一時期は国内盤はおろか輸入盤ですら入手しづらい
時期がありましたが、現在では解消されていますね。
しかし、こうした充実した内容のライヴを耳にする度に思うのは、
この頃のエヴァンス氏の演奏を生で見ることができた方は実に幸運
だったのではと憧憬にも似た感情を抱いてしまうのです。
それでは。