穏やかなる日々

日々の徒然。ゲームだったりクラシックロックやメタルだったり。

外道節

今日は朝から晩までずーっと氷点下。
この辺でこの時期にここまで冷え込むのも珍しい。
おまけに夕方から降り出した雪が止む気配も無いようで。



今日はこれを。
自分の人格形成に多大な影響を及ぼした1冊。
1926年に発表されたロシアの古典SF「ドウエル教授の首」です。



パリのケルン教授に助手として雇われたマリイは、実験室内部の恐ろしい
秘密を見てしまった。
人間の首・・・それも胴体から切り離された生首だけが、まばたきしながら
じっと彼女を見つめているではないか!
それはつい最近死亡したばかりの有名な外科医ドウエル教授の首だった・・・
(導入部より)
作者のアレクサンドル・ベリャーエフはロシアSF界のジュール・ベルヌとまで
呼ばれたほどの人物で、退院から晩年にかけての短い間に精力的に
作品を発表し続けました。
しかし、残念ながらそれらが正当に評価されるのは死後、かなりの時間が
経ってからというところに、あのラヴ・クラフトとの符号のようなものも感じたり。



さて、確か小学3年の頃だったと思います。
当時NHKで放映していたSFアニメ、キャプテン・フューチャー
どハマリしていた自分でしたが、そのアニメに原作があることを姉から
教えられ急ぎ、学校の図書館へ向かった次第です。



当時は岩崎書店から少年少女SF名作選みたいなSF小説ジュブナイル版が
出版されており、自分の小学校の図書館にもそのシリーズが豊富に
ストックされておりました。
お目当てのキャプテン・フューチャーを皮切りに片っ端から読み始めた自分。
やがて「合成人間ビルケ」と言う名の本に出会います。
そう、この「ドウエル教授の首」のジュブナイル版です。



中身も確認せずに早速借りて帰宅後、すぐに読み始めましたが
その暫く後、後悔することになりました。
いくら子供向けにしてあるとはいえ、小学3年の鼻タレ坊主には
あまりにもショッキングな内容だったのです。
頭ではこれ以上読み進めてはいけないと解っていながら
ページをめくる手が止まらず、結局、読破してしまい案の定、
その日の夜は恐ろしくて夜中にトイレにも行けなくなって
しまったというオチ。



その何年か後、この「ドウエル教授の首」に辿り着き
何回読み返したか判らなくなるほどの愛読書となりました。
その内容はSFでもあり、一流のミステリーでもある本作、
次の展開が予想できないハラハラ、ドキドキぶりに心躍らせ
その高度な内容が1926年に世に出たという事実が俄かに信じられないほどで。



機会があれば是非一度、お試しいただければと存じます。



それでは。