毎日寒い。
このままだと桜の開花も例年通りかもしれない。
今日はこれを。
ぶんか社版はありますが、お布施代わりで買っちまいました。
押切蓮介「ミスミソウ完全版」上下巻です。
舞台はまだ春には遠いある田舎町。
そこに転校してきた主人公、春花。
最初はほんのささいなきっかけ。
それがだんだんと大きな渦になり、それは憎悪と狂気を帯びてますます大きくなり、
クライマックスに向かって一気に転がって行くのです。
いじめから始まった小さな綻びがやがて狂気を孕んで集団へと伝搬していく様は、
各人の背景が語られ出すあたりから更に加速され、そのスピード感たるや。
精神的に堪えるキッツイ描写が多いので、メンタルが弱い方にはあまり
お薦めしませんが、一度は読んでみる価値のある作品だと思います。
あと、今回加筆された分により、より深く物語の背景が解るようになりました。
「ハイスコア・ガール」や「でろでろ」などで多方向へのアプローチができることが
認知された押切さんですが、氏の本質はこういう方面なんだろうなと自分などは考えるのです。
それでは。