穏やかなる日々

日々の徒然。ゲームだったりクラシックロックやメタルだったり。

デコイとクレーター

どんよりとしたはっきりしない天気。
予報では雨と言いつつ、一向に降る気配はありませんでしたが。



さて、今日はこれを。
シンフォニック・プログレバンド、ペンドラゴン。
その彼等が88年に発表した、フルアルバムとしては2作目になるのがこれ。
タイトルは「Kowtow」。
日本語の「叩頭」の意味を指すそうで。



鳴きのギターを全面に配し、ヴォーカルを主としたメロウな楽曲が特徴。
キーボードもいるにはいますが、ギターに比べると随分とおとなしめ。
プログレバンドというと派手で押しの強いキーボードを連想しがちですが
このアルバムでは必要最低限に留めているようです。



ただ、ヴォーカルやメロウなギターに比べるとリズムが随分と薄く感じます。
メロディー等がシンプルだけに余計に目だって聴こえますね。
随分と薄く軽い音に聴こえるのはプロダクションの影響なのか、
それともドラマーの力量に拠るものなのかどうか。
いや、本当、もうちょっとドラムの音に重みと奥行きがあれば。



1曲目「Saved By You」はリフがなんとも耳に心地良い軽快なポップス。
なにか前作の1曲目に酷似しているように聴こえるのはおそらく意図してのものだと考えられます。



3曲目の「Time For A Change」でいきなりディスコ調になってみたりと
曲調がが平坦にならないようにとの配慮なのかなかなか野心的な試みも見受けられます。
人によってはイメージに合わず突拍子も無いなんて敬遠するかもしれませんが。



シンプルなリズムとメロディー、たっぷりと鳴きまくるギター、
そしてなにより情感のこもったそのヴォーカルに心打たれる
ロディアスなプログレアルバムとなっております。
いや、プログレと言うより寧ろ、限りなくポップスに近い仕上がりですね。



今はシンフォニック・プログレの大御所扱いの彼等もこの2ndの頃は他のバンドと同様、
自らがなすべき音楽を手探りで探していた時期なのかもしれません。



そんなことを踏まえつつ聴いてみると、また、新しい発見があるのかもしれません。




それでは。