穏やかなる日々

日々の徒然。ゲームだったりクラシックロックやメタルだったり。

ゴブリンの悲劇

昨日の続きで田中敬一氏が携わったタイトルのサントラについて
つらつらと書き連ねていく続きです。



今日はこいつから。
サイトロンから出たネオジオ初期タイトルを纏めた1枚。
ネオジオサウンドパワー」です。



俺の脳内ネオジオランキング内で永遠の1位と2位であるNAM1975と
マジシャンロードが収録されているアルバム。
ただ、田中氏が関与しているタイトルは野球ゲームの
「ベースボールスターズ・プロフェッショナル」
内容は如何にもSNKといったアバウト調整な大味スポーツゲー。
ゲームは地味ですが終始喋りっぱなしの解説とアメリカンロックを
連想させる爽快な曲の数々で、メジャー野球の雰囲気はバッチリ。
ゲーム中は解説のアナウンスにばかり気が行ってしまいますが
それに負けじと曲の方もギターを大々的にフィーチャーした
聴かせ所満載な佳曲良曲揃い。
ギターの音の良さにも驚きですがこちらでも抜けの良いスネアの
音に感心させられます。
上記に挙げた点により、ネオジオ内蔵のPCMの威力をまざまざと
見せつけられた1作でもあるのです。



お次、個人的に田中氏が手掛けられたネオジオタイトルの中で
一番印象に残っているのが餓狼伝説シリーズに登場する一連の
ギース・ハワード曲。



初代餓狼、ライデンステージで聴かせたハードなギターサウンド
派手なチョーキングとノイジーでエッジの立ったそのメタリックな
サウンドで瞬く間に骨抜きにされてしまいました。
最終面、遂に相まみえた父親の敵であるギース・ハワード
冒頭から堰を切ったように溢れ出す怒涛のギターと、それに呼応
するかのように破壊的なドラムで聴かせる「ギースにキッス」。
いやー、この曲を初めて耳にした時のインパクトと言ったら
語る言葉も思いつかない程でした。
ガキンガキンと鋼鉄の塊でひたすら殴りつけられるような感覚に
「なんだ、このメタルのような強烈なサウンドは!?あのSNK
こんなメタリックな音を作ることができるのか!」と、ただただ
もう驚くばかりで。
そして餓狼スペシャルでお披露目となった「ギースにしょうゆ」
拍子木に合わせ襖を開け進むステージ冒頭のイカシた演出に、
同級達と声を上げて驚いた後、篠笛や鼓風の和風な音を交えて
「お!?」と興味を引きつけたところでかれたところで
聴こえてきたのはあの
メロディー・・・いや、実に憎い演出をなさるもんで。
「ギースにキッス」と比べればメタル度は随分とおとなしく
なりましたが、反面、和楽器を交えることにより醸し出される
あのなんともいえない妖しい雰囲気に、日本かぶれのギースらしい
実に理にかなった1曲ではと感じた次第。



そして最後、アトラスで「でんちゅう」名義で携わった一連の
豪血寺シリーズ。
その中から色々とインパクト大だった「豪血寺一族2」を。



豪血寺シリーズといえばステージ中BGMにのって流れる歌。
この2ではそのへんやスタッフの悪ノリも大幅パワーアップした
ことにより、半分以上のステージが歌入り。
アイドルソングに歌謡曲、パンクやフォークソングと、その
とっ散らかりっぷりにも益々磨きがかかっています。
キャラの一人、珍念のステージ曲「坊主でダダダ!」では、ユーロ
ビートな曲に乗せ聴かせる呪詛めいたものに後の新・豪血寺一族
使用されその後、動画投稿サイトにて有名になり曲だけがヒット
したあの「レッツゴー! 陰陽師」に通ずる点がいくつか見て取れる
ことも楽しみの一つでしょうか。
とにかく、調整の粗さはあれど曲やシステムに意欲的で実験的な
試みが多く存在し、格闘ゲームというジャンルに於いても数は
少ないなれど間違いなく熱心なファンを生み出した、そんな
一作でもありました。



他にも田中氏が関わったタイトルは数多く存在しますが、個人的に
印象深い物をいくつか取り上げてみただけですので、取りこぼした
タイトルが多い点についてはご容赦を。
そして、廃業してしまったとはいえ、趣味として音楽を楽しんで
いる様を拝見し、大いに安堵したのでした。
10代の多感な頃、明けても暮れても聴き続けていた氏の曲には
大変お世話になりましたから僅かとはいえ、ここに感謝の意を
表明するものです。
https://twitter.com/studio_aqua/status/910786956421775360















それでは。