今日は冷え込んだようで朝から雪。
途中で止んだので予報で言うような大雪にはなりませんでしたが。
今日はこれを。
マーク・ボラン率いるT.REX最後の録音集、
「ファイナル・カッツ」です。
マーク・ボラン最後のスタジオ・ワーク音源集といわれるこのアルバム。
当時、ロンドン中心部に存在していたエアー・スタジオを、
これまた当時、頻繁に使用していたのがマーク・ボランでした。
そのエアー・スタジオにて録音されていた(一部デシベル・スタジオ)
デモ音源集がこのアルバムなのです。
過去にも何曲かがアウトテイク・シリーズに収録されてきましたが、
それらとのミックス違いバージョンも収録されているので、既発音源と
聴き比べてみるのも面白いでしょう。
シングル曲のミックス違いなどもなかなか興味深いですね。
以前はカットされていた演奏時の会話やらフェイド・アウトしていた個所も
最後まで収録されているので、聴き比べるとかなり印象が違って聴こえます。
しかし、今回の物はデモ音源集とはいえ随分と音質が良好です。
それは、2006年になってひょっこりと姿を現したマスターテープの恩恵によるもの。
何故、これ程の物が今頃になって?
配給元のレーベルによると、1989年にエアー・スタジオが閉鎖される際に
スタジオの受付嬢をしていた女性がこのマスターをこっそりと持ち帰り
自宅でずっと保管していたとのこと。
そして月日は流れ、ボランの息子であるローラン・ボランのもとに
このマスターを返却したいとの連絡があり、めでたく日の目を見ることに。
(ただ、如何にも美談風ですが、要するにマスターを勝手に持ち出していたわけですよね?)
なのでこの「最後のスタジオワーク」の全体像を良好な状態で確認できるのは
今回初めてマスターテープからの完全デジタルリマスタリングした恩恵によるものだそうです。
T.REXの曲というと、ポップだが過剰なアレンジによるギラギラと異様な輝きを持つものが
少なくありませんが、今作はデモなので未完成故の過剰な装飾が施されていない
素朴でシンプルな楽曲が楽しめます。
完全なファン・アイテムなんでしょうが、小粋な小作品集として聴けばまた違った
楽しみ方もできると思うのです。
それでは。