穏やかなる日々

日々の徒然。ゲームだったりクラシックロックやメタルだったり。

賽の河原

いよいよ6月も終わり。
もう一年の半分が終るなんて早いものです。
その感覚も年々加速の一途を辿ってますが。



今日はこれを。
エロゲーメーカー、ストーンヘッズの一ブランド、
PILで出されていたゲームのBGMアレンジアルバム
「PIL compact disc」です。



当時のストーンヘッズ総帥である田所氏の趣味が遺憾なく発揮されたアルバム。
まず、アルバムタイトルでもある「compact disc
元セックスピストルズジョン・ライドン率いるP.I.Lが過去に出したアルバムも「COMPACT DISC



ブランド名といい、タイトルといい、完全に確信犯なんでしょうね。
そんな音楽への愛情溢れるユーモアに、最初手にしたときは思わずニヤリと。
もうアルバム冒頭の曲名からして、「PIL THE KING」ですもん。
うわー、レインボーネタまで絡めてくるのかーって。
このブランドのエロゲーは毎作、音楽好きな田所氏の趣味全開で
ロック寄りな良質の曲が多いのが特徴です。
SM専門ブランドと謳っていただけあって、その内容に合わせて曲にもどこか陰りというか独特な湿っぽさ、
強いて挙げれば、ブリティッシュロック等と同等の匂いを感じ取ることもできるのです。
(ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、上手い喩えがみつからないもので)



まあ、中には「学園ソドム」のように陰湿で悲惨なゲーム内容とは真逆の軽快で前向きな
ポップス調のヴォーカルアレンジ曲なんかもあったり、「堕落の国のアンジー」みたいに
小学生並みなその馬鹿全開の内容にあわせ、終始、テンション高めでアップテンポな曲
なんかも存在しますが。



そしてこのアルバムでの自分の一押し、「女郎蜘蛛」
不穏なメロディーに絡まるハードなギターリフから始まるブリティッシュ・ハード然とした好曲。
歌詞もそのゲーム内容を反映したもので、どうにも抗えない運命に対するやりきれなさ等を
上手く盛り込んであり、本編をプレイされた方ならより一層、楽しめるのではないかと。


初期PILの4タイトルの楽曲を、お手軽に楽しめるコンピレーションとしても
充分な一作になっています。
エロゲーのBGM集と侮る無かれ。
その内容は、かなり本気で作り込まれているのが本作なのです。



それでは。