穏やかなる日々

日々の徒然。ゲームだったりクラシックロックやメタルだったり。

われら星雲

盆休も終わり今日からお仕事。
暑さにメゲそうになりながら今日もやり遂げました。



今日は映像集を1本。
ストップモーションアニメでその筋では有名なブラザーズ・クエイ
作品集、名前もそのまま「ブラザーズ・クエイ短編作品集」のBDです。



20数年前に購入したLD版はビデオにダビングして擦り切れる程
繰り返し視聴していた程のお気に入り。
数年前に出たDVD版もいつかはBDで出るはずと考えていたとおり、
こうしてBD版の発売と相成りました。
しかも、クエイ兄弟監修のHD版で、マスタリングはあのオノ・セイゲン
だというから2度ビックリと。



クエイ兄弟が作り出す実験的且つ、耽美で前衛的な世界を
ストップモーションアニメで描き出したショートフィルム集。
この界隈ではチェコヤン・シュヴァンクマイエル氏が有名ですが、
こちらのクエイ兄弟の作品は、より幻想的で不可解な世界を描き出す
作品として知られています。



けだるく退廃的で陰鬱なその独特の世界観は、見る人をかなり
選ぶかもしれませんが、間口が狭い分だけハマれば底なし沼に
ズブズブと沈み続ける信者を、決して数は多くはないものの
ここ日本でも生み出しました。
こちらの心の奥底を得体の知れない何かでグリグリとかき回される
ような、なんとも奇妙な感覚です。



無機物ばかりかと思いきや、動物の頭骨を使用したり肉塊を使用したりと、
不協和音やノイズなどを使用した現代音楽風のBGMをバックに
無機質な中に突如現れる有機物は相当シュール且つ、グロテスクでも
ありますが、驚きと共にまた不思議な整合感も感じたりで。



テーマめいたものは敢えて伏せ、淡々と進行していくその映像は
時に欧州の映像作品を想起させますが、このクエイ兄弟アメリ
出身というのがまた面白いところでもあります。
20代前半の頃、姉から教えられ知ったこの作品集に深く魅入られてしまい、
たまに姉の下宿先に泊まった際には酒を飲みつつ一緒に鑑賞会を
したりしていました。



原作である小説を大胆なアレンジと解釈で描き出した彼等の
代表作である「ストリート・オブ・クロコダイル」
その映像の数々は、突如、目の前に現れたクエイ兄弟が見ている
夢の世界を、こちらがそっと覗き見させてもらっているような
口では形容し難いなんとも妙な感覚に囚われるものでした。



20代の頃とはまた違ったものや解釈が色々と見えてきて、これまた
当分楽しめそうな1本なのでした。



盛夏の夜に幻想世界の深淵へと・・・




















それでは。