穏やかなる日々

日々の徒然。ゲームだったりクラシックロックやメタルだったり。

地獄の子守唄

メガドラのゲームを精力的に遊ぶ昨今。
今日は思い出に浸りつつ、これで遊んでいました。
当時、セガの名を広く世に知らしめた擬似3Dシューティングゲームの金字塔
スペースハリアーの32X版です。
今日はいろいろ思い出しながら当時の四方山話でも。



まずは起動時にお馴染みのジングルでセガロゴが画面に。



ああ、そうだ、このタイトル画面だ。
85年当時はデモとこのタイトルのループを延々と眺めているだけで満足だった。
グラディウスはあるかいなとふらりと入ったWALK長野そばの薄暗いゲームセンター。
入口入ってすぐの場所にこれのムービング筐体がドカッと鎮座していた。



情報誌でその名前だけは知っていたものの、本物を、ましてや
ムービング筐体版を見るのは初めて。
そのグラフィック、デカキャラの滑らかな動き、軽快なPCMリズムにのって
繰り出されるゴージャスなFMサウンド
田舎者の自分には、それはまるで異次元から突然姿を現した
まったく別次元の物にしか見えなかったのです。
果たしてこれは本当にゲームなのかと。
はっきり言って、それぐらい全てが衝撃的だったのです。
訳も分からず、ただスゲースゲーと筐体の動きに身を任せプレイを重ねた結果、
その時持っていた1000円はあっという間に溶けたのでした。



未だに1コインクリアもおぼつかないヘボな腕前ですが、それでもついつい
プレイを重ねてしまうのは、あの衝撃的な出会いがあったからこそと考えます。
それまでの自分の中ではセガというメーカーは、独特な視点に基づいた
ちょっとクセのあるビデオゲームを出すメーカーという認識で
いまいちパッとしないというのが正直なところでした。
けれどもこのゲームとの出会いにより、その辺の認識を改めざるを得ませんでした。



その後、この体感ゲーム路線によりセガが暫く破竹の快進撃を続けるのは
皆さんもよくご存じのことでしょう。
マークIII版を筆頭に家庭用移植版はいくつか存在しましたが
やはり当時の業務用と家庭用のハードではその性能差に天と地ほどの
開きがあったことはもう、どうにも埋め難い事実として存在していました。
それから何年か後、メガドライブの拡張用最終兵器としてスーパー32X
世に出ることとなりました。
しかも、セガ渾身の新ハード、サターンとほぼ同時期の発売です。
口さがない連中は誰もが沈みゆく泥船だと32Xを揶揄しました。
けれどもこのハードを購入する人間は、そんなことは百も承知で購入する歴戦の強者達。
新ハードが出るというこの時期にゆるりと役目を終えようとしていた旧機種であるメガ
ドラに、まさかのアップグレードアダプタを発売するというセガの心意気に惚れた
愛すべき大馬鹿野郎達なのですから。
そして、このハリアーはその32Xというハードの実力を世に知らしめるという
重大な役割を背負った同時発売ソフト。
その結果は大成功とは言い難いものだったのでしょうが、ソフトを手にした人間には
確実に響いていたと思われる納得の完成度でした。



かくいう自分も自宅で初起動時に、遂に自分のメガドラでもこんなレベルのゲームが
遊べるようになったのかと、感無量でちょっと泣きそうになってしまったことは
今となっては良い思い出ですが。



その後、サターンでコマ落ちの解消や画面比率を忠実に再現した
決定版の移植が出るのですが、やはり、衝撃度という点で言えばこの32X版が
あのアーケード版との初邂逅時の記憶を鮮明に呼び起こしてくれるという点で
自分的には32X版の方に軍配が上がります。



そんなこんなで今でもたまに引っ張り出してはプレイするソフトの1本なのでした。
ただ、プレイの際の思い入れという点では他のソフトの比ではありませんが。
これを起動すれば目が、耳が、そして記憶がいつでも高校当時のあの初プレイ時の
衝撃体験を呼び覚まさせてくれる、そんな1本でもあるのです。




それでは。